ALBUM
アルバム ― 想い出の風景
栄一が日記に書き留めた風景と、遺されたものたち。
ページをめくるように、ゆっくりご覧ください。
FOUR SEASONS

「庭の梅が一輪ほころぶ。春は毎年、律儀にやってくる」― 2月の日記より

日記に最も多く登場する、庭のつつじ。毎年5月の主役だった

「紫陽花は雨の日にいちばん綺麗になる。人も同じかもしれない」― 6月の日記より

縁側の風鈴。文枝が買ってきたものを、ずっと吊るし続けた

「紅葉は散り際がいちばん潔い」― 短歌の推敲メモより

寒中に咲く椿を、栄一は「冬の教え子」と呼んでいた

「雪の朝。庭が真っ白な原稿用紙になった」― 1月の日記より

旅立ちの季節に、毎年咲いていた桜
四季の庭








TEACHING DAYS

37年間立ち続けた教室。「教室の朝の匂いが好きだ」と語っていた

チョークの音は「教師の心音」。退職の日、黒板を三度拭いて帰った

赴任した頃の校舎を思わせる木の廊下。「廊下を走る音で、誰か分かった」

障害児学級では、言葉の代わりに絵と色チョークをたくさん使った
教壇の日々




STUDY & WORDS

晩年15年間の記録。段ボール一箱、30冊の大学ノート

静かで几帳面な筆跡。最後のページまで乱れなかった

読書用の眼鏡。書斎の机の、いつも同じ場所に置かれていた

万年筆のインクは青。「黒より、少しだけ優しいから」

文学と教育書がぎっしり並んだ本棚。歌集は手の届く二段目に

お茶は一日に五杯。急須は文枝の代から使い続けたもの

障子越しの光の中で、短歌の推敲をするのが午後の日課

正月には筆をとった。書き初めはいつも「感謝」の二文字
書斎とことば








WALKING PATH

散歩コースの神社。手を合わせるのは「今日も歩けたことへのお礼」

雨上がりの参道が好きで、傘を持って出かけることもあった

「白鷺が一羽。今日はいいことがある気がする」― 日記より

銀杏の季節の公園。ベンチで新聞を読むのが日課だった

散歩道の顔なじみ。日記には「例の猫」として何度も登場する

「夕焼けが見事だったので、遠回りして帰る」― 10月の日記より

短歌によく詠まれた水辺の風景
散歩道







WITH FAMILY

文枝とは、よく縁側に並んで庭を眺めていた。会話は少なく、時間は長く

夏の午後の定位置。孫たちが来るのを、ここで待っていた

孫たちが走り、コロコロと笑い声が響いた廊下

ノートと一緒に見つかった古いアルバム。写真の裏に必ず日付とひと言

写真箱の底には、教え子たちからの寄せ書きが眠っていた

教え子からの手紙は、輪ゴムで年代ごとに束ねられていた

誰かが来ると、まずお茶。「話はそれからや」

正月に親族が集まった和室。上座を勧められても、いつも末席に座った
家族とともに







